>>21
(ロッカーの中を確認しすぐにトイレを出ようとする優璃)
(だが、ロッカーの扉を開けた瞬間、優璃の考えを阻む手が飛び出した)
(光を吸収し闇そのものと言えそうなほど真っ黒な二本の腕が、優璃の手首を掴み、拘束する)
(腕はロッカーの奥から伸び、ロッカーの中もよく見れば同様の闇が広がっていた)
(外見からは想像も出来ない程の奥行きと深さがロッカー内部には広がっている様子で)
(優璃を掴む二本の手は、この深い闇の中へ侵入者を引き摺り込もうとしていく)
(手首を掴む手に力がこもり、徐々に引き寄せ始めて…)

(もしも優璃が抵抗を諦め、ロッカーに吸い込まれる事になれば)
(闇に全身を包み込まれて何処かへ落ちていくような浮遊感に包まれる状況になる)
(無重力状態になり、しかし実際に落下して地面に辿り付きはしない、奇妙な現象だ)
(身体に纏わりつく闇の気配がどんどんと強くなる事だけが感じられる)

(足を踏ん張り懸命に腕を振り払えば、ロッカーから逃れる事も可能だろう)
(しかしトイレから逃げ出した優璃の目に飛び込むのは、反対の男子トイレの扉だけだ)
(先ほどの廊下は無く、二つのトイレを結ぶ短く細い通路だけが其処にはある)
(足を止めていれば、通風口からは媚薬の効果を持つ風が流れてきて)
(優璃の身体を更に蝕んで行こうとするだろう)

【前の方の設定などをきちんと拾えるか分かりませんが】
【それでも宜しければ】