>>389
いただき……あれ?
(手を合わせてシュークリームを食べようとした時だった)
(テーブルの表面に落書きが書いてあるのに気づいて、文字に注意を引かれる)
(しゅうくりぃむ……シュークリームのこと、だよね? カスタードと生クリームが入ってるんだ)
(それと……)
……ざぁめん? って、なんだろ……
でも、体にいいって書いてあるし、大丈夫だよねっ
(初めて聞く言葉に首を傾げて悩んでみるけどよくわからなくて)
(それより冷たい内に早く食べたくて、改めていただきますと口にしてからかぶり付く)
むぐ、むぐ……
(柔らかい生地の中に入っていた甘いクリームが口の中に広がってくる)
(バニラの香りに包まれたカスタードと生クリーム、それからざぁめんを舌で味わって)
(ほんとだ、少しねっとりしてて…舌に絡みついてくる……)
(一瞬さっき舌にナメクジが絡みついてきたことを思い出したけど、頭を振ってすぐ忘れようとする)
(ざぁめんが混じってるせいかすぐに飲み込めなくて、口の中でよく噛みながら喉に流し込む)
(こんなシュークリーム初めて……。でも、美味しい……かも?)
(よく冷えていて甘くて、運動した後の甘味なこともあって美味しく感じる)
(最初はざぁめんがどんなものかわからなくて恐る恐るだったけど、だんだん慣れてきて)
(幸せそうな顔で、シュークリームを一個あっという間に食べ終えた)
(口の周りに付いたねっとりしたクリームを舌でちょっと舐めて、それもしっかり飲み込んで)
あっ、ジュースも美味しい……っ!
(初めての食感だったシュークリームと違ってりんごジュースは知ってる味)
(でも搾りたてみたいな新鮮さで、香りもよくてとても美味しかった)

……ぅぅ、やっぱり気持ち悪い……
(座っている間は気にならなかったけど、立ち上がってみるとショーツの感覚が気になる)
(粘液を吸い込んで重くて、歩くたびにイヤな感じの音を立ててる)
(まだナメクジがいるようにも思えて、履いているのがつらくなってくる)
(誰かに会う前に下着を見つければ……)
(メイド服があったことだし下着もどこかにあると信じて、ここで脱いでいくことにした)
(スカートの中に手を入れて、気持ち悪いショーツを降ろして脱いでいく)
(脱いだ後のショーツは少し悩んだけど、カーディガンと同じようにナメクジの方に投げ捨てた)
(汚くなった下着なんて誰かが見ても何とも思わないと考えて)
シャワーだけでもいいから浴びたいな……
(スカートの長さはあまり長くなくて、屈んだりすればお尻が少し見える程度)
(当然ショーツを脱いだ後の下半身は心もとなくて、意識しないように他のことを考える)
(べっとりと粘液に汚されたのは服だけじゃなくて髪も同じで)
(いつもはくせっ毛がふわっと広がるツーサイドアップの髪が今は濡れて少し固まったりしている)
(シャワーと下着を見つけるため、それと廊下に戻らず先に進むために厨房の壁を見ていく)
(扉が無ければあの廊下に戻らないといけないし、その後もどうすればいいのかわからないけど…)