(身を切るような寒さの中、街を歩きとある人の部屋へ。
その扉を開けると暖かな空気に迎え入れられ、首元を防寒するために巻いたマフラーや
羽織ったコートが必要なくなってくる――そして耳にしたどこか軽薄な響きのする声に「こんばんは、お邪魔します」
と答え手慣れた様子で防寒具の類を脱ぎ、背中が大きく開き編み込みがそこを飾るニットと膝上丈のフレアスカート姿になると
部屋の主である男性が背中から腕を回してくる)
ええ、とてもおなかが空いてるの……できるだけ早くお願い
(圧迫された豊かな胸が柔らかく歪み
首だけで背中の後ろの方を向けばはらりと肩の方へ流れた長髪が隠れていたうなじから背中のラインを露わにする。
事情を知っているだけに隠す必要のない真紅の瞳を細め、心持唇を尖らせキスをせがむ――自分の身長では
彼にキスすることはできないのだ。)