(リンの周囲では能力によって浮かび上がる小石や枝が宙を舞っている)
「さて…返してくれる気になりました?」
(切れ込みを入れられた腕をさすってリンは言う)
(千夏へとゆっくりと歩み寄り、足元に転がっているナイフも能力で拾い上げる)
「腕と薬、私には制限時間があるの、早くしてくれないとこっちも大変なんです」
(ふらふらと千夏は立ち上がると再びブレザーの内ポケットに手を入れ、今度はスタンガンを取り出していた)
ブレザーに大抵の武器はしまってるのかな…
(リンは千夏の動作を見てそう思う)
(青白い閃光を放つスタンガンを構え千夏はリンを挑発していた)
「そこまで言うなら私も多少の頭痛くらいは我慢しますよ」
(千夏の瞳の変化に気づかずにリンは先ほど拾い上げたナイフを千夏目がけて直線の射線で放つ)
「まずはその武器庫のブレザーを引き剥がしてあげる!!」
(『眼』の能力も利用して千夏の背後を視認し、襟首を掴んで無理やり脱がせようとする)