ん、なに? やっぱり私の見立てどおりね。
(大人に勘違いされることなんてないので見境の勘違いには気が付かない)
(そんなことよりも熱燗が呑めることの方が重要なのですぐに意識の縁から消え去ってしまう)
こくっ、こくっ……ふぅ〜、美味しい。五臓六腑に染み渡るわ。
安酒だけど、パパもママも喜んでくれてる。
(パパとママとはミズチに憑いている二柱の蛇神のことだ)
(ミズチにとっては親みたいな存在でもあり、人前で蛇神様と言えない代案でもある)
(とても美味しそうに呑んでいるが、肌の色はまったく赤みが差さず青白いままで、)
(熱燗のグラスからお酒の匂いがしてこなければお酒を呑んでいるようにはまったく見えない)
別に、そんなの慣れてるもの。
いつもは奢ってもらう方だから、奢るのは珍しいけど。
奢ってもらったのがバレたら、きっと嫉妬の炎で焼き殺されちゃうわよ?
(実際にはそんなファンはいないし、熱燗を飲みながらだとアイドルというよりお水のお嬢みたいである)
この乙姫ちゃんに奢ってもらったなんて、一生の語りぐさになるんだから。
(両頬に人差し指をあててニッコリとポーズをつけるミズキだったが、)
(笑顔というより冷笑という感じで、アイドルどころかキャバ嬢にすら見えない)
(こんな彼女にもファンがいるというのは世界が広い証拠であった)
【本名はなのらず、ググれば見つけられる芸名を名乗ったということで、】
【あと見境くんのレスで〆にしよっか。お互いに最初のロールだし、軽めということで】