(ちょうど夜が深まる頃、渡辺はある依頼を受けて指定場所に向かっていた)
(依頼の内容はシンプルだ。工事現場に化物が居座り、専門家が必要。排除が最低条件)
(渡辺の最も得意とする、相手と場所と目的が分かり切っている依頼だ)

(がら空きの駐車場の中から事前に聞いていた車種とナンバーを照合し、情報通りであることを確認すると
 その車の後部座席から手招きをする少女の元へと向かった)

あんたが依頼者の代理人か?本当にこっちの世界に絡んでるとは思わなかったぜ。
てっきり新興宗教のお飾りかと思っていたんだけどよ。

(寒そうに震える三輪を見て、パーカーのポケットの中にあるカイロを取り出した)
(こちらに来るまでに使っていたものらしく、既に外気と触れて暖かくなっている)

ほれ、カイロやるよ。その恰好じゃ寒いだろう。
……それで、依頼の話なんだけどよ。どこまで壊していい?見取り図によれば
資材置き場になってる一階の吹き抜けホールに居座ってるみたいだけどよ、資材とか足場用の骨組み巻き添えにしちまっていいのか?
そのへんあんたが立ち会って見張るんなら言ってくれ、なるべく抑えて戦ってみる。

(渡辺の戦い方は大剣を用いた豪快なものだ。それ故周辺に与える被害は
 本人が一切考えなければ酷いものであり、隠蔽用の予算で報酬がほぼ無になったことすらある)
(それ以降は本人も反省し、どこまで目標以外のものを壊していいのか聞くことにしたのだ)

【石橋のどこなら壊していいのか聞いてから突撃の構え】
【よろしくお願いします!】