>>706
(ハイエースの中はミズチしかいなかった。もちろん中学生である彼女が運転したのではなく、運転手はどこかへ待避させているのだろう)
(車内はキャンピングカーほどではないが、ソファーや収納スペースなどが据え付けられており、芸能活動の方で使っているものであろう)

こんばんわ〜。そう、私が乙姫ちゃんよ。
ふっ、私が本物だって見抜けないようじゃまだまだね。
本物だから視聴者やファンに危なくないように見せられるんだから。
えっと、わたなべさん、だっけ?
ありがと、エンジン切っちゃうとエアコン動かせないから寒いのよね。
表の仕事ならいいんだけど、こっちじゃ静かにしとかないとね。
(少女はカイロを受け取りながらぺらぺらとしゃべる)
(アイドル、そして霊能者と聞いても、巫女の格好をしていてもしゃべる様子は普通の少女にしか見えない)

ん〜、既にだいぶお化けに邪魔されて壊されちゃってるから、多少は仕方がないって依頼者は了承しているわ。
できている部分の強度が落ちて立て直し、とかになったら賠償モノだけど、資材や足場とかは構わないわ。
そこまで暴れなくてもそれなりの腕があれば退治できるはずよ。
そうゆう人をお願いしたんだから、余計な被害がでたらあなたのエージェントにもペナルティだからね。
(依頼者はその分だけの報酬は提示しているのだ。それがどれだけ総司の手元まで還元されているかはともかくとして)
(ミズチの言葉はそれを匂わせている)
私は基本的にビルの中までは立ち入らないわ。
来週はイベントもあるし、定期試験も近いから怪我したくないもの。
他に聞きたいことは?
こちらからの確認だけど、もしあなたが怪我したら救急車は呼んでもいいの?
保険証がないとか、この手での怪我は病院じゃ治せないこともあるし、その手のかかりつけがあるならそちらに運んであげるわ。
幸い作業員の人たちは怪我だけで済んでるけど、万が一に死者がでたらビルも汚れてしまうのよ。
(いざこれからという時に遠慮なく怪我や失敗での死亡について話をする)
(心配してくれているのか、冷徹に依頼者側の利害を伝えているのか、気だるげな顔からは後者にみえる)
(ミズチ的にはちゃんと心配しているのだが、この手のことにはパサパサしているのだった)