>>714
(化物の気配を探るうち、渡辺は大きなことに気がついた)
(数が明らかに多いのだ。最初は敷地の広さから大型が1体、もしくはそれなりの大きさが2体ぐらいだと考えていた)
(だが今感じる気配はそれ以上、それも分散している)

3体、4体……群れだな。
まったく蛙の式神でも借りてくりゃよかったぜ。報酬下がるだろうなあ、これ!

(そう言って床を蹴り、正面ではなく横にある建築部材へと突っ込んだ)
(踏み込んだ足に粘着性のある粘液のような感触を感じるが、これは想定内だ)
(力を込めて下にあるむき出しのコンクリートを即座に踏み砕き、その下にあった土に思い切り擦りつけて無理やり剥がす)

床材貼られてなくてよかったぜ、これなら大して請求されねえだろうよ!

(それと同時に大剣を振るい、横薙ぎに建築部材ごと小型の群れへ叩きつける)

(渡辺はまず、包囲が完成する前に自分から動くことを選んだのだ)
(相手は異形の類とは言っても蛞蝓の姿となった以上動きは遅く、従って対応力も低い)
(であれば先にこちらから動き、潰しやすい小型から順に狩っていくのが面倒がなく、分かりやすい動きだ)

(粘液が粘着性かどうかは賭けだったが、溶けるようなものであればコンクリートも溶けているだろうと
渡辺は判断し、小型の気配がする建築部材へと向かったのだ)


【まずは横に曲がってぶん殴る!】
【本日もよろしくお願いします】