なら、あなたに……あらら?
(ミズチと蛇神さまが総司を治すとするなら、総司にもミズチらと関わりができてしまう)
(その覚悟があるの、と問おうとしたところで総司が気を失ってしまい、ミズチも気が抜けて肩をすくめる)
重傷だって伝えたのが悪かったのかな?
ええと、うーん……仕方がないか。
ぴっ、ぽっ、ぱっ、と……もしもし、乙姫ちゃんだよ?、ちょうどかたがついたとこなの。それでね……
(ミズチは巾着袋からスマホを取り出して何処かへ電話をかける)
(どうやら乙姫ちゃんの事務所関連のようだ)
(一通り要件を伝え終わると、迎えが来るまでの間、お清めの塩をビルの中へ振りまき始めた)
※※※
(そこは学校の教室くらいの大きさの洋室だった)
(床は板張り、壁の片面は全面が鏡になっている。反対側の大きな窓は黒いカーテンでふさがっている)
(乙姫ちゃんの事務所内にある練習室。ミズチだけでは使いきれないので普段は演劇やダンスの練習に貸し出されている)
(今の部屋は中央に3メートル四方の大きな白い布が敷かれていて、布を囲むように塩で二重の円が描かれている)
(その布の中央には全裸の総司が横たえられていた)
(正確には手足やお腹などの蛞蝓の粘液でやられたところには包帯が巻かれている)
(あのあと、車でここまで運び、ボロボロになった服を脱がせてシャワーで汚れを洗い落としたのだ)
(やらないよりはマシな簡単な消毒をして包帯をして、大切なものであろう大剣を持たせた)
…………
(その行為で着ていた巫女装束が汚れたのでミズチもシャワーで穢れを落として真新しい巫女装束に着替え直している)
(そして、総司の横で正座して静かに眼を覚ますのを待っていた)
【既存の宗教については特別な思いはないの。ちゃんと信者や檀家がいるところは羨ましいとは思うけど】
【強いて言えば、創価学会とか幸福の科学とかは新興宗教における運営について参考にできるところはないかと思っているくらい?】
【あとは、海外のイスラム教やキリスト教の過激派は絶対に敵視されるから関わりたくないな、とか】