(事情と条件を一通り話した後、三輪の頬がかすかに赤くなる)
(目線はちょうどあぐらを組んでいる足の真ん中、股間の辺りだ)
ちょ、ちょっと待ってくれ!すまない、まさか裸とは思わなかった。
パンツぐらいは履いてると思ってて……隠すからちょっと待ってくれ!
(慌てて何か隠すものがないが辺りを見回すが、白い布と塩で描かれた二重の円は明らかに術的なものだ)
(動けばまずいものかもしれないと思い、渡辺は仕方なく近くにあった大剣を足の上に置いた)
(これならば少々重いが、なんとか隠せるだろう)
……よし、大丈夫だ!それで、今の話だが……
アルバイト、やるよ。助けてもらった恩は返そう。
案件をくれる田中という人がいるんだが、その人にも事情を話す。
(そこで言葉を一旦区切って胸をドンと叩き、にっこりと笑って再開した)
こう見えても大学生だ、試験と単位が危ないとき以外はいつでも呼んでくれ。
なんだったら……本当に下僕になっても構わないぐらいだ。
(最後の一言はドヤ顔に対する冗談が半分、本気が半分だった)
(目の前で倒れた人を助けるのは人として当然だというのは常識かもしれないが、それを確実に実行できる人間は少ない)
(ましてや安全な場所に運び、徹底した治療を施してくれる人が何人いるというのか)
【だったら今の平和な状況は布教にぴったりですね】