(大学で友人が見ていた動画を思い出し、そういや配信してたなと渡辺は思い出す)
(ある墓地で狩るはずの幽霊たちがありったけ除霊され、不思議に思っていたところに
その動画を見て、ちょうどその場所だと気づいてとても驚いたのは印象的だった)
……この街はその手のネタに事欠かないどころか呼び寄せやすい土地だ。
除霊と退治はお任せあれ。
(両親を殺した能力者への復讐を果たした後、学業の合間にずっとこの街を見てきたのだ)
(渡辺としては、いつもやっていることが少々増えた、ぐらいとしか思わない)
(そして部屋の気配が変わったと感じられた瞬間、思わず右手が大剣の柄を握る)
(この世ならざる者の気配、異形の気配だ)
(6年狩り続けてきた渡辺の経験がそうさせた。例え自分の傷を癒すものであっても、
本来は人の世にあってはならないものだと思っているが故に)
(白蛇の姿にはさほど驚かなかった。普段相手にしている化物よりはよほど美しく、赤い瞳は宝石のようであると感じられたほどだ)
(さすがは神を名乗るだけはあると渡辺は見直し、二体の白蛇に対して背筋を伸ばして向き直る)
(だが、その願いの代価には思わず姿勢を崩した)
精液と……性的快感?
満足するまで?俺は、その……あんまり言いづらいが……童貞だぞ?
(二体の白蛇に渡辺は手を合わせ、頭を下げて祈る)
(恋人でもないのにそういうことするのは勘弁してください、相手はまだ未成年です!と強く願った)
(その祈りを知ってか知らずか白蛇たちには届かなかったようで、ピクリとも反応しない)
(元々思春期の最初を復讐に、それ以降は学業以外を化物狩りに費やしてきたような人生だ)
(そういった経験もまるでなく、数少ない友人たちとの会話で戸惑うことは何度かあった)
(授業で習った程度の知識しかないのだ、ファーストキスはこの前通りすがりの黒髪にあげてしまったが)
……で、どうすればいいんだ?
イかせるって言っても俺はその……テクニックがない!
体の触り方すら分からないんだぞ……
(青春を異形との戦いに費やしてきた渡辺にとって、これは明らかに難題であった)
(こんなことをするぐらいならばさっきの蛞蝓10匹とまとめて戦った方がマシだと思うぐらいには、高い壁だ)
(だがいい加減ごねても変わるものではないと思ったのか、大剣を足からどかして脇に置き、三輪へとゆっくり近づいていく)
(綺麗な白い髪とムダ毛一つない顔立ち、そしてどこからか漂う香りに渡辺は思わず頭がぼーっとしてしまう)
【なかなか自分のことを書き連ねるのは難しいものです】