なんだ、今日は気が向いたから風呂場で背中くらい流してやろうと
思ったのに、つれない男だね。それとも、違う方の風呂屋にでも行ったのかい。
戦った後は子孫残したくなるもんな。
(くくくくと喉の奥で笑う。不貞を咎めているわけではないし、そんな関係でもない)
(単にからかっているだけだ。年齢と違い、見かけ相応に初心なのは把握している)

ピザにはコークだろ常識で考えて。
油切るにはちょうどいいけどな。
んぐんぐ、けふー。いや、そこは融通利かせろよ。
別に私の分まで給料出せって言ってるわけじゃないんだよ。
ちょっと勝手に着いて行くだけさ。
(コップに注がれた麦茶を流し込んで口の中から油を洗い流す)
(朱音としては、単に楽しいことを追い求めることに価値がある)
(危険とか未知とか、大好物なのだ)
(やめろ危険だと言われるほどに好奇心の炎が燃え盛るタイプである)

あー、そうかい。ま、気長に待つとしようか。
その時まで私が生きてればいいけどね。
ああ、もっと早くアイツの我がまま聞いてればって後悔するかも知れないな。
(ニヤニヤといつもの薄笑みを浮かべる。朱音にあるのは「今」だけだ)
(「明日」とか「未来」」とか、あまり興味がない。刹那的な生き物である)

そういや、うちの学校の周辺、妙なんだよな。上手く言えないけど。
未確認生物ってんじゃなくて、人間みたいな、獣みたいな、
よくわからんのがうろついてることがある。特に最近は。
ソウジ、アンタなら何か情報掴んでるんじゃない?
(話題を唐突に切り替える。そのよくわからない生き物と遭遇し、既に何匹かは)
(屠っている。どれも似たような印象を受けるのが気になると言えば言える)