(千歳の様子を見て、叔父さんは二日酔いだと分かったらしい)
(アイテムで万能薬を持っているのを確かめると、それを飲むように伝えてきた)
ふぇ…そんなの、あったっけ…?
(これまで持ち物についてあまり気にしていなかったから、ちょっと半信半疑で探してみる)
(すると、叔父さんが言っていたらしい薬が見つかり、それをさっそく飲んでみた)
(その瞬間、千歳の体を光が包み込み、千歳の頭痛をあっという間に消し去ってくれた)
ホ、ホントだっ…叔父さん、この薬すごいっ!
これたくさん買って、持って帰れたら…そごいお金持ちになれるのになぁ
(思わずそんなことを考えてしまった千歳だった)
(千歳の言葉に、叔父さんの嬉しそうな雰囲気が伝わって来る)
(それを感じ取り、千歳も何だか嬉しい感じになってきた)
(そんなふうになってしまうほど、千歳は叔父さんを好いているのだろう)
(すると叔父さんが勢い込んだ感じで次のダンジョンの話をしてきた)
(そこをクリアすれば、元の世界に戻れるという話らしい)
う、うんっ!ぼく、頑張るよ!
(思わず握りこぶしをつくって気合を入れる千歳)
(やっと元の世界に戻れるかもしれないのだから、それも当然かもしれない)
(まだ朝だから、準備をして行けば昼のうちに着くだろう)
(千歳は支度を済ませると、いそいそと宿屋を出発した)
(当然、主人にお礼を言うのは忘れていない)
(そしてダンジョンに向かう途中、叔父さんが何かを言いかけた)
え?
今なんて言ったの?
(妙に気になってしまったけど、叔父さんが何でもないと言っていたから、それ以上は何も聞かなかった)
(誘導通りならもうダンジョンにつくから、あまり話をしているわけにもいかない)
(やがて目的のダンジョンが、ぽっかりと口を開けて現れた)
(すごく不気味な雰囲気だけど、ここで躊躇しているわけにもいかない)
…じゃ、じゃあ…いこう!
(掛け声とともに、千歳はダンジョンの中に入っていく)
【叔父さん、もう時間だから凍結でもいい?】