>>584
(注文の紙を受け取った叔父さんの声が聞こえた)
(キッチンからコーヒーを煎れる音が聞こえてくる)
(いつもと同じ、この店の風景)
(テーブルの客の妙な視線が少し気になったけど、BGMを聞きながらケーキセットを待つ)
(少しして、叔父さんがカウンターにケーキセットを置いた)
はーい。
(元気よく返事をして、千歳はそれをトレイに乗せる)

お待たせしました、ケーキセットです。
(ケーキセットを客に持っていき、ぺこりとお辞儀をして振り返って歩き出す)
(その瞬間、また静かにスカートが捲られて千歳の小ぶりなお尻が露になった)
(当然客の視線はそこに集中したけど、後ろを向いていた千歳はそれに気付かなかった)
(さっきの事で、客も千歳が男の子だと気づいているだろう)
(それでも、千歳の容姿や仕草は普通に女の子で通じるほど違和感が無いものだった)
(千歳はというと、もともと短い丈のスカートだから、少し風通しが良くなってもわかりにくい)
(実際少し太ももがすーすーしていたけど、あまり気にしていなかった)
ふぅ
(カウンターの傍に戻り、ケーキを食べる客の横目に見ながらじっと佇む)

(少し気を抜いたからか、千歳はお尻に妙な感覚を感じた)
(最初はスカートが擦れているのかと思ったけど、そうではなくて、何かに撫でられているような感じ)
……??
(もちろん、後ろを見ても何もいない)
(怪訝な表情で前を向いた瞬間、何かがお尻をむにっと握った)
っっひゃぁっ!?
(突然の事態に、千歳は飛び上がるような感じで驚いた)
……あ、い、いえ何でもないですっ
(千歳の声に驚いた客に、千歳は慌てて取り繕った)

【もうすぐ時間だね】
【ぼくの予定だけど、明日の夜にまた来れるよ】
【時間は多分…19時くらいだけど、叔父さんは大丈夫そう?】