(千歳の悲鳴が聞こえたのか、キッチンから叔父さんが声をかけてきた)
ふ、ふぇぇっ…え、あのっ…
(客がいるから、泣き言を言うわけにもいかず口ごもる)
(と言っても、千歳にも何が起きたか理解できていないから、どう説明すればいいか分からない)
……きゃ、うっ…!
(落ち着くまもなく、今度はお尻に何かが押し付けられる感覚に襲われた)
えっ…え、ええっ…!?
(絶対に何もいないのに、スカートの中で何かがお尻に触ってきている)
(だんだん怖くなって、今度こそキッチンに駆け込もうかと思い始めた千歳)
(すると、セットを食べ終わった客が席を立ったから、その場を逃げるようにレジへ)
(お金を払う客に、明らかに変な目で見られて恥ずかしくて頬が赤くなる)
(小さくため息をつく千歳の前でまた扉が開き、少し年をとったおじさんが入ってきた)
あ…いらっしゃい、ませ
(その人は、前から千歳にセクハラっぽい事をしてくるおじさんで、正直千歳は苦手だった)
(常連の客だから、千歳が男の子だという事ももちろん知っている)
(おじさんはいつもの席に着くと、千歳を手招きで呼んできた)
あ、はい、ご注文ですね
(いつも頼むものは決まっているから注文を取る必要はないけど、おじさんは必ず千歳を注文で呼ぶ)
(テーブルに来た千歳に、おじさんは頭を撫でながらお世辞を言ってきた)
あは、はい…ありがとうございます
(今日は家族も他の客もいないから、いつもよりも大きな声だ)
(おじさんはいつも通りショートケーキのセットを頼むと、いきなりスカートを捲ってきた)
きゃっ…も、もぉ、おじさん…ぼくしごとちゅ、う、んっ!
(さらにおじさんは、パンティーの股間の膨らみを指でつついてくる)
んぅっ…もおっ…お、怒ります、よ…
(前からこの手の事はしてくるおじさんだけど、店内に誰もいないからいつもより大胆な気がする)
【叔父さん、おまたせしましたぁ】
【ぼく今日も22時くらいまでお話できるけど、叔父さんはどぉ?】