(千歳を驚かせてしまったことを、叔父さんは謝ってきた)
え、ううん、ぼく全然気にしてないよ
叔父さんがぼくのためにしてくれてるんだもん
(叔父さんに撫でられながら、千歳は落ち着いた声で答える)
(確かに突然お尻を掴まれてびっくりはしたけれど、そこには嫌悪感はない)
(そして今、あやしながらお尻を撫でられても嫌な感じはない)
…ん…ぅ
(むしろそれに対して、悦んでいる自分がいる事を千歳は何となく自覚していた)
(お店を心配する千歳だけど、今は時間的にお客の来ない時間帯)
(それに入口にはベルがあるから、もしもお客が来てもすぐに対応できる)
うん…そだね
(千歳も納得して、休憩室の椅子に座る)
(叔父さんは千歳を置くと、キッチンの方に帰っていった)
(1人になるとやっぱり不安なのか、時々周囲を見回している千歳)
(そうしているうちに、叔父さんがキッチンでカフェオレを作って持ってきてくれた)
あっ、ありがとぉ!
(叔父さんの作る甘いカフェオレは、千歳の大好物だった)
(ストローでそれを飲むと、甘みが口の中から喉に広がりながら通り過ぎていく)
ふわぁ…美味しい!
(すっかり元気になった千歳は、美味しそうにカフェオレを飲んでいる)
(叔父さんが千歳の髪を撫でながら話してくると、千歳も小さく頷く)
うんっ、お客さんにこんな目で会うわけにはいかないもんね。
(もう涙は出ないないから、しばらく休めば赤くなった目も治るだろう)
お客さん…来るのかな?
っていうか、いっそ入口に「休憩中」みたいな札でもぶらさげとく?
(カフェオレを飲みながら、少し首をかしげて笑顔を作る)
(お客が来なければ、ずっと叔父さんと休んでられるのに…とはさすがに恥ずかしくて言えなかった)
【うん、じゃあ23時までよろしくね】
【あっ、あとご飯とかまだなら、遠慮しないで食べにいっていいよ!】