(家から出てガレージに向かう2人)
(千歳の家のガレージだけど、1台分のスペースが空いているから叔父さんに使ってもらっている)
(お母さんに見送られて外に出ると、叔父さんが話しかけてきた)
え、か、かわい…ぇええ!?
(唐突に可愛いと言われ、あからさまに焦りを見せる千歳)
(あまりに突然で、自分の耳を最初に疑ったくらいだった)
(でも次に叔父さんが、千歳のお尻を優しく撫でるように触れて体を寄せてくると、聞き間違いでないことを悟った)
も、もぉ…どうしたの、叔父さん…?
い、いつもならこんなこと、しないじゃん…。
(そう言いながら、千歳は寄せられた体を避けようとしない)
(むしろ自分から体を寄せ、密着するようにガレージに歩いていく)
(やっぱり今日のことで、叔父さんに対する感情に変化があったのかもしれない)
(千歳の中では、親戚の家に遊びに行くのではなく、まるで恋人の家に泊まりに行くような気分になっていた)
(車で走って住宅地を抜けて少しすると、叔父さんの一軒家が見えてくる)
(郊外で周りに家がなかったから、小さい頃に遊びに行ったときは大騒ぎした記憶がある)
(ちょっと古い感じの家だけど、叔父さん1人で住んでいるから別にこれでもいいのだろう)
(古くても不便なところはないし、静かなところだったから千歳は気に入っていた)
(車を降りてから叔父さんが荷物を持って家まで運んでくれた)
…やっぱり、静かでいいところだね、叔父さんの家って。
(叔父さんのあとに続いて家に入る)
おじゃましまーす。
(ぺこりとおじぎしてから靴を脱いであがり、キョロキョロと周囲を見回す)
ねえ、ぼくどこの部屋使ったらいいかな?
(人の家だから勝手に使うわけにもいかないし、いちおう叔父さんに聞いてみた)
【うん、よろしくぅ】