(場所は廃屋時刻は深夜。人が寄り付かないその場所で、一人の少女と少女よりも小回りな少年が)
(お互いの武器を手に激しい攻防を繰り返していた)
(小回りな少年には人間にはありえない尻尾や羽と言ったものを有しており、俗に言えば悪魔の様な、淫魔の様な姿をしていて
人間界への潜伏目的か、現代風のパーカーにホットパンツといった悪ガキとでもいうべきか。そんな衣服を着用していた。)
(もう一人の少女は薔薇の無知を片手に可憐なピンク色をしたフリルがついたドレスを纏い、腕まで覆うグローブに同じくロングブーツといった魔法少女の様な恰好をしていた)
(今巷で話題の愛天使ラナンキュラス・ルージュ。本名を花椿 香子という。サイドテールをトレードマークに、薔薇の花のティアラが
夜空の星を背景に煌く。)

はああぁぁ!!!これで終わりです!ローズ・ディストーション・シュート!!
(薔薇の花弁が周囲に舞い、小悪魔的な少年の周囲を覆う。周囲は薔薇の香りと聖気に満ちた空間となり、身動きを封じるだろう。)
(そしてルージュの繰り出した鞭は不規則な動きを持って少年に接敵し)
(そして凄まじい力で締め上げる。並みの妖魔ではまず抜け出す事が適わぬそれはこの戦闘が終わった事を示していて)


…ふう。ようやく捕まえましたよ。さあ、貴方が拉致した人たちを返してください。
安心して。無事に解放してくれれば此方も貴方にこれ以上の危害は加えないから。
(相手が小柄な事もあり、何時も姉妹らに接する様な、お姉ちゃん口調でそう告げる)
(少年を引き寄せ、この少年が攫い誘拐した行方不明の女性を解放する様に諭す)
(本来ならばこのまま少年を討滅し、人間界から追放するのが役目ではあるが、香子は出来ればそれをしたくはなかった)
(妖魔とはいえ、彼らにも彼らの価値観があり、そして生きる為の目的等がある。一方的に此方の意見だけを通すのは良くない)
(甘いと言われればそれまでではあるが、香子は事あるごとに妖魔を諭し、しかし聞き入れてもらえない場合には致し方なく…)
(と言った風に対応していて。今回のこの小柄な妖魔ならば聞き入れてもらえると期待を込めて話しかけるが…)

【大変お待たせしました。こんな状況でどうでしょうか?】