「ばかっ…なっ…ケホッ…こんなっ、豚風情にっ」
喘ぐように空気を飲み込みながら、罵声を口にする。
指先が動く。
取り落とした剣を握ろうとした瞬間身体が引き上げられる。
黒い小手が空をつかむ。
頸鎧ごと、オークの諸手が頸動脈を縛り上げる。
手が、足が、抵抗しようとバタつき、空を切る。
そして、ダークナイトは意識を失った。

「んっ…後れを取ったか…」
死んでいないということは、部隊の隠密の手引きで助かったということか。
鎧が無造作に固めておかれているのが、その証拠だろう。
身体を起こそうとするが、うまくいかない。
「なんだ、腕が上手く…!?」
腕は革ひもで無造作に拘束されていた。
自分の服装を見れば上着代わりの鎧下は無残に引き裂かれ、黒い密着したシャツ一枚になっていた。
ズボン代わりのタイツも、引き裂かれた残骸となって足元に転がり、黒いレースのティーバック一枚に向かれていた。
「くっ…どういうことだ。陰どもっ!助けろっ。半魔のお前たちが、純魔族の貴族のために働けるのだっ」
荒げた声は、迷宮の奥の、この座敷牢の中にむなしく木魂するだけであった。
【こんな感じで良いかな?
了解、こちらも少し眠くなってきたから、凍結してもらえると助かる】