そう、俺と勉強して慣れておいたら、いつか好きな人ができたときに準備ができるだろう?
なに、雪菜はしっかりしてるからさ、すぐに覚えられるさ。
だからそんなに心配しなくても大丈夫だ。兄さんもついてるんだから
(安堵の表情から、こちらの言葉に不安げな表情を浮かべ、そして今は驚きを露にする)
(一週間の観察と、こちらの元からの洞察力から、この「妹」の感情は手に取るようにわかる)
(そして驚きはこちらの暗示の言葉を反芻して、納得を導き出していることも、わかる)
(いよいよこれからが、こちらのお楽しみの始まりである)
迷惑だなんて、そんなこと思うわけないだろ?
可愛い妹の頼みだ、俺が雪菜をどこに出しても恥ずかしくないようにしてやる。
だから安心して、兄さんに任せろ、雪菜。
(殊勝にもこちらの提案を受け入れるどころか、お願いされるとは思っていなかったが)
(こうした真面目なところもこの「妹」の美点である…とは思っている)
(返事とともに雪菜の頭をポンポンと優しく触れてやる)
(だがこうして真面目だからこそ、今からの「勉強」にも身を入れてくれるだろうと考える)
ああ、兄さんで構わないよ。雪菜はそのほうが呼びやすいだろ?
俺もそっちのほうがやりやすいし、な。
(実を言えば、この家では特に名前を名乗らず、「兄さん」として通している)
(それは姉妹に与えるべき影響を考慮して自分の情報を最小限にしているからだ)
(ゆえにこの家での自分は「兄さん」であり、それ以上でもそれ以下でもないのだが)
じゃあ雪菜、「まずは雪菜の想像する恋人の付き合いですることを教えてくれ」
雪菜のイメージと、実際の恋人がすることのギャップを埋めていかないとな。
(言いながら、軽く雪菜のそばにさらに近づき体同士を寄せ合い、密着度を高める)
(これから恋人同士でやることを教えてやらねばならないが、)
(それをするためには彼女のイメージを「矯正」してやる必要がある)
(後は単純に、顔を赤らめた少女の考えていることを出させたいというのもあったが)
【承知しました、では宿題の件は入れましょう】
【ところで…だいぶじっくり進めていますが、ペースはこのくらいで問題ないですか?】
【もう少し強引なほうが良かったら進め方を変えますので…】