(兄に頭を優しく触られて、抱えていた不安が消えていく)
(練習に対して緊張する気持ちがあったけど、それが解れていくのも感じた)
そうだね、私としても呼びやすいから、兄さんのままで
(もしも違う呼び方をしたら…きっと兄であることを忘れてしまって、もっと恥ずかしくなってしまったと思う)
(だから、変えなくていいと言われて、ホッと安堵の息を零した)
私が想像する……
(一瞬だけ和らいだ気持ちが、また急速に恥ずかしさに埋め尽くされる)
(想像するだけでさえ恥ずかしかったのに、それを兄に言うなんて…でも、言わなくちゃ)
(私の都合で黙ってしまったら、折角協力してくれると言った兄を困らせてしまう)
(いつの間にかさっきよりも兄の体が近付いていて、私と密着するようになっていた)
(さっきよりも兄を意識して、耳まで熱が広がっていく)
(そんな間近にいる兄に、これから恋人の練習役になってくれる兄に)
(私が想像する『恋人の付き合いですること』を…正直に伝える)
えっと、まずは……デート、かな
お買い物に行ったり、遊園地とかに遊びに行ったり
一緒に色んな所に出かけて…
……それで、あとは……手を繋いだり……?
それから……っ、あの、ほら……き、キスをしたり……とか……
(兄の前でこんなにつっかえながら喋ったのは、多分初めてのことだと思う)
(変に思われてしまったかも知れないけど、スラスラと喋るなんてできない内容だった)
(本とかテレビとかで見た恋人のやっていることをそのまま言っただけ……でもあるけど)
(それを私自身がやると考えたら、一気に恥ずかしくなる)
(兄にきちんと伝わったかわからない)
(間違っている、と言われるかも知れない……もしかしたら笑われるかも?)
(鏡を見たらきっと、顔を真っ赤にしながら心配そうな表情、という珍しい顔の私が写ったと思う)
(本当は目を逸らしたかったけど、兄の反応が気になって、視線を向けたまま返事を待った)
【このくらいのペースでじっくりやるのは、こちらとしてはかなり好みです】
【お返事を書きやすいですし、楽しめていますから】
【ただ置きレス形式で今後も長いことを考えると…かなり長期になりそうですね】
【不安なようでしたら、少し強引にしていただいても構いません】