>>26
合ってた……?
それなら良かった……
(私が考えた恋人がすることを肯定をしてもらえて一安心する)
(伝えた内容に一つ一つ感想を言ってくれたけど、それに答えるのは言葉に詰まった)
(他のことはまだ良かったんだけど、キスについては……)
(相手に唇を捧げる…そんな風に考えたことは無かったけど、確かにその通りだと感じた)
(同時に兄のことを大人だなと思ったし、いつか私自身がすることを考えて、鼓動が速まる)
(いくら兄が恋人の練習相手になると言っても、そこまでするかは…わからない)
(多分しない、けど、もしも兄とするとしたら…想像が膨らみかけて、慌てて忘れようとする)
(間違っても兄に悟られてはいけない妄想だった)

そうだね、家の中だと難しいよ
(飛躍しそうになる想像の翼を押さえ付けてる間に、兄は話を進めていた)
(デートは難しいという兄の言葉に頷くけど、内心ではちょっと提案しようと考えたこともある)
(家の中では難しくても、外ではできる…だから日を改めてデートの練習もして欲しい、と)
(長い旅行に出ていたせいか、兄と一緒に出かけた記憶がほとんど無かった)
(だから、デートと言うか買い物だけでもいいから、たまには一緒にお出かけしてみたい……)
(そんな風にまた、思考が脇に逸れそうになった)
(普段はこんなに色々考えたりしないのに、やっぱり動揺しているみたい)
兄さんを、恋人だと思って……
(でもそんな脱線も、兄の言葉で元の軌道に戻された)
(差し出された兄の左手を見つめる)
(手を繋ぐことは兄妹なんだからそんなに恥ずかしくないはず)
(けど恋人だと思うと、途端に気恥ずかしさが襲ってくる)
そうだね……ゆっくり
少しずつでいいから教えてね、兄さん
(少し躊躇ってしまいながら、兄の言葉に促されるようにして手を伸ばす)
(右手で兄の左手にゆっくりと触れて手を繋ぐ)
(兄の体温が手のひらを通して伝わってくる)
(香奈とは全然違う、私よりも大きな男性の指の感触も感じた)
(これでいいかな……と聞きかけて、ふと「違う」と言う声が心の奥から聞こえてくる)

あっ……そっか、こうじゃない
恋人なら、こうするのが……正解だよね?
(ハッとして一旦繋いだ手を離すと、今度は指を絡ませながら兄と手を繋ぐ)
(いわゆる恋人繋ぎになって、さっきよりも兄と私の手が密接に絡み合う)
(感触も体温も、前回の比じゃないくらい伝わってくる)
(当然、胸の高鳴りも激しくなって、繋いだ手を通して伝わりそうな気がして不安にもなる)
(でも今はどちらかと言うと、自分で気づけたという嬉しさがあった)
(恋人の勉強を教えてくれる兄に笑顔を見せながら、解答の正否を問いかけてみる)

【では、じーっくりで、よろしくお願いします】