…うーん。遅いですね。自分で呼び出しておいて遅刻するような子じゃないのですが…。
(飛白が公園に来てから30分は立とうとしていた。)
(ふと、視界に遠くからではあるが、蝋燭の火がユラユラ動いているのが気にかかる。)
(そして次は木の枝に吊り下げられた不自然な振り子。明らかに人為的なモノではあるが、左右に規則正しく動いている)
(普段なら気にならないもののハズなのだが、この時は何故か視線が外せなくて)
(それでも杏奈を待ち続ける訳にもいかず、立ち去ろうとしたときだった。目の前から体つきのよい、見知らぬ若い男性が近づいてきたのだ)
(当然これも普段なら警戒し、近寄る事を拒むところなのだがこの男性が持っている蝋燭の火から視線がなぜか外せなくて)

…え、どうして…私の事を知っているのですか…?
(と、何故か自分の事を知ってる男に、そう問い返してしまった)
(身体は何故か動かず、どうしても蝋燭の火に目が行ってしまって)