あっ、うん
それなら「校外学習」も、今度お願いしたいな
(考えていたことを兄から先に提案されて、驚いてしまった)
(でも、すぐに頷いて、是非にとお願いする)
(何も言わず想いが伝わった…なんて考えるのは流石に都合良すぎるかも知れない)
(きっと私の態度から兄が読み取って、察してくれたんだと思う)
(私からは言い出せなかったことでもあって、兄の優しさばかり実感する)
(本当に嬉しくて…それに、「校外学習」が楽しみだった)
だよね?
うん、よかった……っ
(手の繋ぎ方を兄から褒められて素直に喜びが込み上げる)
(きちんと合っていたことよりも、兄の言葉とか、頭を撫でられることの方が嬉しい)
(頬が緩んで、自然と声が弾んでしまう)
(握った手に力が込められて密着するのも、今は恥ずかしさより嬉しくて)
(でも、頭を撫でてくれていた兄の手が離れて背中に触れると、少し意図を読めなくなる)
(どうしたんだろう…と思う間も無く、体が兄の方に引き寄せられて…)
え……っ?
(目を丸くしながら兄の行動にただただ呆然とする)
(耳が兄の言葉を拾ってはいたけど、頭の中で整理できなかった)
(恋人同士がするってのは確かにその通りだし、忘れていたのも事実)
(でも、いきなり、こんな風に抱きしめられるなんて…)
(胸は、友だちにからかわれたり、香奈にジトッと見られたりして、大きい方という自覚はある)
(それが兄の身体に当たって…それだけじゃなくて、身体が触れ合っている)
(男の人にこんな風に抱きしめられたのは、成長してからは少なくとも記憶になくて)
(……ううん、本当はこんな風に色々考えられない)
(だって胸の鼓動がすごく速くなってて、その音が身体中に響き渡ってる)
(緊張とか恥ずかしさとか色んな物が綯交ぜになって、身体が動かなくなっていた)
あ、……うん
(……でも、兄の言葉を聞いている内に、少しずつ身体が解れていく)
(相変わらず鼓動の音は大きいけど、その理由がよくわからない物じゃないと気づいた)
そっか……これ、嬉しいんだ…
(今感じているものの正体がわかって、ホッとしながら小声で呟く)
(身体全体に嬉しいって感情が行き渡っていくような気がした)
うん、兄さんに抱きしめられて、とっても嬉しい
これが恋人がすること、なんだね……っ
(抱きしめられる前と同じように笑顔を兄に向ける)
(さっきよりも嬉しさが増してるおかげで、笑みも大きくなってたと思う)
(抱きしめられて身体が密着したから、顔の距離も近くなっている)
(間近で兄の目を見つめながら抱きしめられていると、これ以上幸せなことはないような気がして来る)
(兄ともっと一緒にいたい……そんな想いが心の中で芽生え始めていた)
【こちらも前に一度埋め立てですかって出ました】
【長文続けてると引っかかりますけど、短い書き込みを挟むと大丈夫…みたいですね】