…雪菜のしたいように言ってくれよな?
俺はそれに応えるようにしたいからさ。
(決定権を渡すだけだと、さすがに少し躊躇があるようだ)
(だがそれは忌避感ではなく、どうも羞恥が強いからであるようだった)
(つまりは本質的には嫌がっていないが、恥ずかしくてうまく言えないということだろう)
(初心な反応は見ていて楽しいと、こういう時に思ってしまう)
…わかった。そしたら、雪菜にキスを教えてあげるよ。
これができれば、ひとまずはどこに出しても恥ずかしくない…って。
(望み通りの答えが引き出せたことに笑みを浮かべる。雪菜には優しく応える兄に見えただろうか)
(それから顔を寄せようとして、雪菜の言葉に不意を打たれ、一瞬固まってしまった)
(この妹は初心な一方でなかなかマセたところもあるようだ)
ああ、恋人同士のするキスを…だな。
じゃあ、目を閉じて?肩の力を抜いて…雪菜、「兄さんに身を任せてくれ」
(雪菜とつないでいた手をそっと放して、今度は頬に添える)
(雪菜が目を閉じたのを確認してから、その唇に自分の唇をそっと触れさせる)
(少しその状態で少女の唇の感触を楽しんでから、今度はその唇をこちらの舌でこじ開けて)
(誰も侵入したことのないだろうその口内で、雪菜の舌にこちらの舌を絡めに行く)
(あくまでも優しく、しかしながら確実に、ついに少女の体を侵略し始めるのだった)
(さらには抱きしめる力を強めて、雪菜が逃げられないようにしてやって)
(暗示の力とこちらが抱きしめることで、雪菜はこちらに完全に主導権を取られることになるだろう)
(そうして微かながらも淫靡な水音を立てるキスを楽しんでから…ようやく、雪菜から唇離す)
…どうだ、キスのこと、わかったか?
(雪菜の様子をうかがいながら、一言、問いかけて)