(様々な表情を見せる響子に由依は演劇部員として見て大いに素質のあるものを感じていた)
(同時にそれは響子の心や体を弄びたくなる由依の欲求をさらに掻き立てていた)
ふふっ……大丈夫?
(あと一押しといったところだろうか、軽くあくびをして目を擦るその様子は薬の効果が表れ始めているということを表していた)
そうだ、さっきの話の続きをしましょうか
(由依が話していた『秘訣』の話、その内容は響子の精神を催眠状態へと誘い、意識は霞がかったような感覚を覚え始めるだろう)
これから話すことは貴女の心の奥底に留めておいてね、普段は思い出すことも意識に止めることもしないけれど、その行動があったら反射できるように……
(ぼんやりとした様子の響子に囁きかけるように由依は話す)
まずはスイッチの入れ方から……そうね…………
このベルの音にしましょうか
(そう言って取り出したのは演劇の際にも使っていた由依の私物である小さなハンドベル)
(揺らすと小さいながらも透き通った音が響く)
“この音が聞こえたら貴女は人形になっていく、全身の力が抜けていって意識もどこかぼんやりとして人形になっている最中のことも覚えることはないでしょう”
(ベルの音とその音の意味する内容を何度か復唱して響子に聞かせる)
それじゃあ実際に試してみましょうか?
貴女が本当に『人形』の役に徹することができるのか……
(何度か響子に暗示をかけた後、催眠が成功したかを確認するためにベルを鳴らして確認する)
【お待たせしました、よろしくお願いします】