>>46
は、恥ずかしいってわけじゃ…
(あっさりバレてしまって、かぁっと頬が熱くなるのを感じる)
(でもお兄ちゃんは実際に先に脱いでくれるみたいで、時間稼ぎという目的は果たせそうだった)
(これで安心して心の準備を…と思いかけた、けど……)
……うん、私が言い出したことだもん
しっかり見ないと、だね
(目を逸らさず見るように言われて頷く)
(昔に見たといっても記憶に殆ど残ってないくらい古い話で)
(男の人の裸なんてここ数年の間に見た記憶がない)
(お父さんのも見たかもしれないけど、それも遠い昔のことな気がする)
(だから、本当ならここで見たらいけなかった……心の準備なんて、できなくなる)
(でも見なくちゃいけない気がして、私はお兄ちゃんが服を脱ぐ様子をしっかりと見た)
(上着とズボンを脱いで、あっという間に目の前で下着姿になるお兄ちゃん)
(その時点でもう、早く視線を逸らしたくて落ち着かなくなってた)
(上半身が見えるようになって、お腹と胸が目に飛び込む)
(鍛えてるわけじゃなくても体格が男の人のそれで、全く見慣れないもの)
(普段は親しいお兄ちゃんと思ってるだけだけど、頼もしい男性として見る気持ちが芽生えそう)
(それでお兄ちゃんの脱衣は終わりじゃなくて、お風呂に入るんだから下も脱いでいく)
(私の体は少し固まってしまった)
(視線はお兄ちゃんのパンツの中から出てきた物に釘付けで)
(男の人のそれを知識として知らないわけじゃないけど、こんな距離で見たのは…やっぱり記憶に無くて)
(昔に見てたとしても、ここまで大きな存在感があったとは思えない)
(存在感が大きいだけじゃなくて、形とか色も独特で…しっかり見たせいで暫く記憶に残りそうだった)
(頬がいつの間にか真っ赤になっていた)
う、うん……
でも昔よりは成長して、大きくなったんじゃ…ないかなー?
(一応、お兄ちゃんの成長を見ると言ったから、適当に感想を言っておく)
(言った後で、しっかりしたとかの感想の方が良かったと思ったけど)
あ、そうだね…恥ずかしい、から……ぅぐ
(心の準備の方はと言えば、全然だった)
(お兄ちゃんが服を脱ぐのを見ながら落ち着けるわけなんてない)
(結果として私の苦肉の策は失敗だったし、恥ずかしさも増してて大失敗とも言えた)
(先にお風呂に入るというお兄ちゃんの言葉は渡りに船で、すぐに頷こうとした)
(でも、その言葉がすぐに詰まってしまう)
(恥ずかしさを我慢できる……うん、我慢できること、かも知れない)
(普段は恥ずかしさに振り回されてるけど、我慢……できる、はず)
(何より、そう言ってくれるお兄ちゃんが、私が恥ずかしさに耐え切る姿を期待してくれてる気がした)
(お兄ちゃんに応援されてる……そう思うと頑張れる気がした)
……だ、大丈夫
恥ずかしい、けど……我慢できるから
だから……目を離さないで、しっかり見ててね?
(これも言った後で、あっと後悔した)
(しかも、さっきの比じゃないくらいの後悔)
(成長した姿を見てもらうだけならそんなしっかり脱ぐ所を見てもらう必要は無いのに)
(お兄ちゃんが脱ぐ時に言ってた言葉が頭に残ってて、そのまま言ってしまった)
(恥ずかしさがどんどん込み上げて、耳まで真っ赤になっていく)
(でも我慢すると言った以上、しっかりやり遂げないと……)

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