(お兄ちゃんの前で服を脱ぐだけでも恥ずかしいのに、じっくり鑑賞してくるのが分かる)
(小さく息を漏らしたのも聞こえて、ますます恥ずかしくなった)
女らしく……大人に……ぁう、綺麗って……っ
(素直に感想を言ってくれてるのはわかる)
(だからこそお兄ちゃんの言葉に、燃え上がりそうなほど顔が熱くなっていく)
(綺麗なんて…言われたのは多分…生まれて初めてだと思う)
(それだけじゃなくて、女らしいとか大人とかも、お姉ちゃんならともかく、私には縁遠い)
(嬉しい気持ちがないわけじゃなくて、恥ずかしさと喜びがごちゃ混ぜになっていく)
楽しい……のかな…
えっ、そ、それは……その…そうかも、?
(成長を見せ合うのが楽しい…って、そう言われるとどうなんだろうと思う)
(今胸の中を埋め尽くしてる感情を楽しいって呼ぶには、なんだか違う気がして…)
(でも、恥ずかしいほど気持ちよくなれる……って言葉には、あまり疑問は出てこなかった)
(そんな風に考えたことはきっと無かったはずなのに)
(恥ずかしくって身体が熱くなるのが心地よく感じ始める私がいる)
(顔を赤くして、お兄ちゃんの前で服を脱いで全部見せちゃって…胸がバクバクするのが気持ちいい……)
っ、あ……うん、入ろっか
(頭がぼーっとして、思考がよく分からなくなり始めた)
(その時、扉を開ける音とお兄ちゃんの声が聞こえてハッとなった)
(先に入っていくお兄ちゃんに続いて私も入ろうと……した時、ふと気づいた)
(気づいちゃった……と言うべきなのかも)
(まだお風呂でお湯を浴びたわけじゃないのに太ももが少し濡れてた)
(なんで濡れたのか、どこから滴が垂れたのか…わからないほど子供じゃない)
(あれだけ恥ずかしい思いをして、本当に気持ちよくなってた…)
(自覚するとまた恥ずかしいって気持ちが沸いて、それがまた……ドンドンと繰り返して行く)
(あまり遅いとお兄ちゃんに怪しまれるって、私は強引に恥ずかしさを押さえつけて、お風呂場に入った)
(お兄ちゃんと一緒にお風呂場に入る…昔も同じように入ってたと思うと、懐かしくなる)
(先に体を流したお兄ちゃんから桶を渡されると、私は少し急いでお湯を浴びた)
(これで太ももが濡れてることには気づかれないで済むはず…)
洗いっこ……っ!?
(思わず声を上げて驚いた)
(今体に触られたらどうなるかわらなくて、かつてない程動揺してる)
(でもお兄ちゃんの言う通り、兄妹で体を洗いっこするのは当然…のことと思えてくるし…)
(目を丸くして、それから少し考えながら頬の筋肉がこわばる)
(体を洗うことが問題なんじゃなくて、今なのが問題)
(でも、だからと言って…お兄ちゃんが洗ってくれるという提案を、拒絶なんてできなかった)
……ふぅ
うん……わかった、洗いっこしよっか
まずはお兄ちゃんが私を洗ってくれるんだよね?
(小さく息を吐いて私の中の気持ちを落ち着けてから首を縦に振った)
(これからお兄ちゃんが体を洗ってくれるんだ…って改めて認識すると恥ずかしさが無いわけじゃない)
(もしかしたら、アソコが濡れてることに気づかれちゃうかも…)
(恥ずかしいことだけど、そう思うと、さっきの時みたいに気持ちいいんじゃないかって考えが頭の中をよぎった)
(多分、さっき以上に恥ずかしくて……その分、気持ちよくなるのかな……?)
しっかり、洗ってね?
(どうしてそんな事を言ったのかわからない)
(興味が出てきて、それで……多分)
(バレたくないなら「適当でいいよ」…って、言った方が良いのに)