(空がきれいな夕日色に染まった時間帯。芹は家へと向かうために学校近くの駅で電車を待っている)
(いつもはもっと早い時間に帰るのだが…今日は同級生の手伝いのため、少し遅くなってしまった)
まいったな……こんなに混んでるなんて。
(ちょうど部活帰りの学生たちや仕事を早めに切り上げたサラリーマンたちで駅はごった返していた)
(高身長とその体つきのためか少々視線を感じ、居心地が悪そうにしていると電車がホームへ)
(ドアが開き、乗客が降りると…今度はなだれ込むようにホームの人々が電車に乗り込む)
わっ……う、ぁ………。
(朝もこんなに混み合う時間帯は避けているため、不慣れな芹は流されるがままに電車へと乗り込んだ)

(女の子にしては大きく育った芹。その身体をできるだけ小さく縮こませていると、同じく人の波に流されてきたのであろう男が向かい合うようにして立っていた)
(壁ドンのような姿勢に少し驚いた様子の芹。目を丸くしながら彼を見る)
あ、はは……ごめんなさい。私も、その……で、デブ、で………。
(彼の気まずそうな表情。そして声……小刻みに震える腕からかなり無理をしている様子)
(見知らぬ男にこのような体勢をとられ、呆気にとられた芹はあわあわとした雰囲気でつぶやく)
(誰もが目を向けてしまうその巨大な胸は、夏服のセーラー服をこれでもかと押し上げて…)
(しかも、肩からかけたカバンのせいでいわゆる「パイスラッシュ」状態となっており、更にその胸を強調する)
(恥ずかしげにうつむく芹。制汗剤などは一応使っているが、こんなにも近かったら……)
(ふんわりと漂う芹の香り。なんとも芳醇で甘い、女の子の香りが彼にも感じられる…)

【おまたせいたしました、凍結ですね!】