>>53
痛いっ……
な……なにを?
(強引に頭を掴まれ、埃や雨、土などで汚れたガラスに頭を力強く押し付けられる)
(視界がぼやけてよくは見えないが廃墟の周りに生い茂る木の中で何かがぶら下がっているように見える)
(最初はよく見えなかったが時間が経つにつれてそれがはっきりと脳内で理解される)
……!!
(折れた枝か何かかと思ったそれは人の死体だった)
(手足が欠損しておりソレが腐敗でないということも遥香の眼には嫌に伝わってきていた)
(不気味に笑いながら金森が耳元で何かを言っている)
(自分もあのぶら下がっているアレと同じ運命をたどるとわかった瞬間恐怖は確信に変わり、冷や汗が伝う)
(ぞわり、金森が遥香の頬に舌を這わせる)
(遥香は抵抗しようと金森の抑えつける手から逃れようとするが全く太刀打ちができない)
(「助けて!!」声に出そうと思っても声は喉から出ずにいる)
(なんとか身体を捩じったりして逃げ出そうとする)