>>59
(必死の思いで逃げ続けていると、いつの間にか廊下には大量の有刺鉄線が張り巡らされていて軽く進もうとするだけでも傷がつきそうであった)
(こういったことも想定してパーカーを着てきたのだが、肝心のそれは先ほど脱ぎ捨ててしまったため別の道へと進んでいく)
(そのまま進むと得体のしれない肉塊が異臭を放ち転がっていたりする)
……死にたくない、死にたくない!!
(後ろからは金森の声が嫌に響いてくる)
あっ!!
(肉塊に足を滑らせ、転ぶと右腕に錆びた釘が刺さってしまっていた)
痛い……でも……
(先ほど何度もアイゼンで踏まれた背中に比べればこの程度の傷はまだ序の口である)
(錆びた釘を痛みをこらえながら引き抜いて遥香は走り続ける)

どうしよう……
(目の前には地下へ続く階段があり、他の道はすべて有刺鉄線などで封鎖されていて進めなかった)
(廊下の奥からは血塗られた釘バットを持った金森がやってくる)
嫌……死にたくない……痛いのも……嫌……
(脚が震え、後ろへと後ずさっていく)