クレアがそう言うと同時に男たちがヴィーナに軽く万歳させるような体勢をとらせ、両手を上部についた手枷に固定する
更に胸の下に革ベルトを巻き、分娩台に固定した
そのまま台の横にあるハンドルを回し、背もたれを30度ほど倒す
ヴィーナの鼻孔にアルコールに混じって薄く血や尿、臓器といったもの――彼女のよく知る死の匂いが入ってくる
「それにしてもさすがの忠誠心です……」
一瞬彼女をこのまま殺すのが惜しいとも思い始めたがその気持ちはかなぐり捨てる
そんなことをしてもこちらにつくとは到底思えない
代わりに……
「それではお願いしますね?」
クレアがスーツの懐から取り出した呼び鈴を鳴らすと
「お嬢様」
二人のメイド姿の若い女性が現れる
「ひとりは彼女にメイクを……その制服相応の若い少女にみえるようにお願いします
いつか話していたスナッフムービー、やっと良い被写体が見つかりました
もうひとりは私のお色直しを手伝ってくださいな
こんな格好では汚してしまいますし、それにすぐにバレてしまいますから」
そう言いながら片方のメイドと共に部屋を出ていく――
クレアが再び部屋に入ってきたのはそれから15分後のこと
それまでの間に
「ヴィーナさん……でしたっけ?具合はどうでしょうか?」
残ったメイドの手によってヴィーナの顔は元々童顔だったこともあるのだが
元々カフェレストランに潜入時以上に若々しい少女のものへと整えられていた
恐らくいまの彼女を見た者はその制服もあわせて、誰もが彼女は近くの
ハイスクールの生徒では、と思うのではないだろうか