っ……
(カビ臭い匂いが充満し、部屋には廊下にもあったような腐った肉塊がちらばり足元がヌルヌルとしていた)
(ローファーも脱げてしまい、その感触をほとんど直で味わいながら遥香は逃げる)
!!
(少しすると後ろからは金森の足音が聞こえ、遥香は身の危険を感じて走り出す)
逃げ…ぐぁっ!!
(だが、走り出そうとしてもローファーのように踏ん張りの聞かない靴下ではヌルヌルとしたこの足場はとても相性が悪く、すぐに転んでしまう)
(白いワイシャツも転んでしまった影響で所々が赤く染めながら扉をあけていく)
光…?
(地下のはずなのに光の漏れる扉が見える)
(そちらの方に導かれるように遥香は向かっていった)
!?
(扉を開けるとそこはフローリングの床にカーペットが敷かれた高級マンションの一室のような部屋が広がっていた)
ここは…?
(中へ入り込もうとした瞬間、後ろから金森の声が聞こえて遥香の顔に何かが吹きつけられる)
あ…あ…
(声を出すこともないままに遥香はその場に倒れこむ)