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プラットの幼く小さな手のひらとの握手はそれだけでもオーバンに満足感を齎した
無垢な少女に触れるのは何度もしてきたことだが、今回は強い想いを抱いていたから格別だ
走ってきただけではなく興奮からも噴き出た手汗がプラットの手を穢したこともまた満足材料である
それに表面上は嫌な顔一つ見せず、それどころか明るく礼儀正しいプラット
今まで見てきたどの少女よりも奴隷向きだとオーバンは確信していた

元気よく先行してダンジョンへと歩き出したプラットの後ろをオーバンは付いて行くことになる
道を間違えそうになると訂正したり、今日のはこのまま快晴だから雨の心配はいらないと和やかな雰囲気で話しかけて
その一方で視線はプラットの背中へとじっくり注がれていた
一枚の布を前に垂らしただけの簡素な格好では当然、後ろ側はガラ空き
ジュニア向けの下着が見えてもいるがオーバンのような人間にとってはかえって興奮する
眩しいほどの背中やレギンスに包まれた細い足が歩く様子を鑑賞し、たっぷり楽しみながらの道中だった

しばらく歩いた後に辿り着いたのはいかにもといった外見の遺跡風のダンジョン
軽々としたペースで歩いていたプラットとは違い、重く太った体を動かしていたオーバンはまた顔を拭って
「おぉ、やっと到着したね
ここがクエストの舞台であるダンジョンだよ
簡単な探索クエストとは言え、少し仕掛けのあるダンジョンだ
一応気を引き締めてね、プラットちゃん」
案内役として冒険の先達としてそれらしいアドバイスを先にしておく
実際はこのダンジョンの管理者側であり、難易度を上げるも下げるも自由な立場だが
こう言った注意をして雰囲気を作っておくのがいつものオーバンのやり方である
実際に中に入ってみると、外よりは暗いが適度な間隔で壁に設置された炎が照明の役を果たしていた
視界の問題はなく、進路も何度か曲がったりと複雑そうだが実は一本道で迷うこともない
壁が時々道を塞いで道を遮るが、序盤の仕掛けはシンプルで
・指定のマークのボタンを壁から探して押せ
・ブロックを入れ替えてパズルの絵柄を組み合わせろ
・小さい通路を通った先にある部屋でボタンを押してこい
と簡単であり、特に子供向けといった感じのものばかりである
オーバンは勿論、これらの仕掛けを解く作業をプラットに任せきりにする
頑張ってる姿を眺めたい、という考えも当然あるが、プラットを調子に乗らせたいのが一番の目的
「調子いいね、プラットちゃん
これなら思ってたよりは長く掛からなくても済むかもね」
扉が開くたびに笑顔で褒めたり手を叩いたたりまでして、プラットの気持ちをどんどん盛り上げようとする
調子良く進んで行くことで、どんな仕掛けが来ても「いける」と思ってもらうことが大事だった

結構なペースで扉を突破し、ダンジョンの中程まで進んだ所で次の扉に突き当たる
扉を開くための仕掛けが何であるかを書かれた板も無く、具体的な仕掛けの類もどこにも見えない
どうやって解除できるかをオーバンが教えるしかない状況だが、すぐには教えなかった
正確に言うと教えるべき内容も特に無い
ここからはダンジョンを作った奴隷商が自由に仕掛けを設定できる区画
その最初であるこの扉には具体的な仕掛けが設定されておらず、開くかどうかはオーバンの意思次第である
プラットが助けを求めてくるか、それとも自力で頑張ろうとするかをまずは見る

【ペースとしては同じくらいになると思う】
【こちらこそ、よろしくね!】