>>550
「私はっ!」
(敗北した。逆転の目はない。)
(降伏したところで意味がない。母体にされることは変わらない。)
(妖魔風情に忠誠を誓うなんて、侵略のための戦士となんて、答えは決まっている、あり得ない。)
(敗北の絶望感。周囲を囲む触手。)


(悔しさと恐怖で涙が溜まる。)
「……。」
(妖魔もわかっているだろう。私が絶対に忠誠を誓う事などあり得ない。)
(この苦痛を屈辱を楽しんでいるのだ。)

「……私は貴様如きには、負けない。」
(俯いて小さくか細い声でその言葉を口にした)
(弱弱しい風が触手を薙ぐように吹く。これが最後の能力の発動だった。)