意識がもうろうとしているうちに魔物は彼女を担ぐと準備を行っていく。
だが、彼女は抵抗できないだろう。

ようやく意識を目覚めさせた頃にはすべての準備は終わっていた。
彼女の菌糸塗れの体は部屋の中央部に蜘蛛の巣のようになった場所に吊るされていた。
大の字になり、気色悪い粘液が張り付き、黒いスーツは所々破れている。
「ほら、お目覚め? 気分はどうです?」

先ほどまで雑魚と認識していた妖魔が彼女の前で得意げに話している。
「いやぁ、見れば見るほどかわいい女ですね。魔物の苗床にはぴったりだ」
いやらしい笑みを浮かべながら、魔物は蓮花の目の前でおしゃべりを続けていた。
「まぁ、細かい話は抜きにしましょう、あなたの霊珠の力をもらう事です。如何ですか? あっさりとくれれば苦しい思いはしませんよ?」
まぁ、答えは決まっているだろうから、そのまま続ける
「まぁ、同意が得られなくても、あなたが淫らになってくれれば奪えるんですけどね」

この部屋の空気は相変わらず彼女にとって最悪なものだ
そして、抵抗しようとすれば、その胞子の魔の気を彼女は取り込んでしまうようにできている。
「それは、あなたの体を改造してくれます。この空気は素敵でしょう?」
しかし、抵抗しない場合は
「まぁ、それでももがいてもらうんですけどね。この子達を使って」
そうすると、天井で何かが蠢き彼女の方へ寄ってきていた。
それは、ヒルのような虫だ。それも一匹や二匹ではなく大量にいる