>>534

(キィ……と小さく礼拝堂の扉が開く音がした)
(人ひとりぶん開いた扉の向こうから、うつむき加減のミサオが入ってくる)
(純白のベールとドレスに包まれた、花嫁の姿で)
………お待たせしました、神父様。
(緊張した声色。恥ずかしげに俯いたまま、ゆっくり、老神父のもとへと歩み寄る)
(歩を進めるたびに衣擦れの音がしてーー)

………この前、純白のシスターの服を着たとき、ちょっと恥ずかしかったんですけど……
今日はなんだが、不思議な感じ。
恥ずかしいのもあるけど……聖職者が婚礼の衣装を着るなんて、絶対ありえないでしょ?
なんだか、変な感じですね……
(困ったように笑い、赤みの差した頬のまま老神父を見つめた)
(このときばかりは普段のおてんば具合や淫らさはなく、年相応の少女らしく)
…………えっと、このあと……なにをすればいいんでしたっけ?
(もじもじして、辺りを見回す)



【こちらもお待たせしました】
【よろしくお願いいたします】