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うん、わかった
(耀が質問に答えてくると、少女はこくりと頷いた)
でもちょっとくらい遠くてもあたしは平気だけどね?
(にこりと笑う少女)
(旅行の高揚感に耀との口移しの興奮が加わり、少女はかなりテンションが高い)
(窓から見る雪は、太陽の光を反射して光っている)
(その眩しさに時折目を細めながら、また楽しそうに景色を眺めはじめる少女)
(そんな雪の間をバスは進み、やがて目的地のバス停へと到着した)
(外を見ている少女の耳に、到着を知らせるアナウンスが聞こえる)
着いたみたいだね
(バスが止まると、少女は荷物をまとめ始める)

(扉が開き、耀の後に続いて少女も降りた)
おー!
(一面の雪景色をじかに見て、少女が感嘆の声を上げる)
(車内の暖かさと耀との口づけで、身体はまだ火照っているから、寒さはさほど感じない)
すごいすごい!
こんなにたくさんの雪、初めて見たよぉ!
(自分の背丈ほども積もる雪を見て、本当に楽しそうだ)
(その隣で耀が、民家の軒先のつららを見つけて示してくる)
え、え…どれ…あ、あれね!
(きょろきょろと耀が示す先を見て、つららを見つけて声を上げる)
ふわぁ…
何か、つららもすごく光っててキレイだねぇ。
(館でも普通につららは見れるのだが、旅行の雰囲気なのか、まったく違うものに見えるらしい)
(道を見ると、踏みしめられたあとが点々と続いている)
ねぇお兄ちゃん、あたしたちもこっちでいいの?