そう……ですかね…………
(先輩の話を聞く限り村の人たちは本当に裏表もないほどに良い人たちなのだろうと思える)
(先輩も先輩なりに身体に抱えている問題もあり、その話を聞くと心が痛くなった)
……
(本家で妹として生まれ、神様の慰み者となった時は自身の境遇を呪った)
(他者を恨んでも仕方がないと思いながら数多の人々に純潔を犯され、普通に生きる人々たちよりも何倍も早く人間の汚れた面を見てしまったということを知ったのは本家を去る前に母様から聞かされた時が初めてだった)
(自身を偽り、人に嫌われないよう努力して、年相応の少女らしく振舞うことに本家を去った後は努力をし続けていたが、先輩の話を聞いているとそうしなくても良いのかと心がかき乱されるようだった)
……っ
(なるべく表情は変えないよう、声も押し殺して先輩の話を聞いていたが一言でも話してしまえば感情があふれ出してしまいそうだった)
(目尻が熱くなり、喉の奥でつっかえるものが感じられる……ここまで話してくれた先輩に警戒していた自分が恥ずかしくなり、馬鹿々々しくもなって涙が溜まっていた)
……はい………………
(涙を袖で拭いながら先輩の話を聞く)
そう…………信じられると……いいですね…………私も……がんばります……
(震える声で私は応え、何度も涙をぬぐっていたが止まる気配はなかった)
私………………!!
(もうすぐ温泉に到着するというところで先輩の笑顔で心が限界に達したのか我慢できずに感情を吐露してしまった)
…………私のことを話しても……本当に嫌いになったりしませんか?
(一しきり泣き終えると、先輩の方を見て話す)
(あそこまで話してくれた先輩になら自分のことを話しても構わないのだろうと思っていた)
……私、本家にいたときは神様の慰み者……供物として扱われていたんです
沢山の男の人たちに好き勝手されて、純潔も奪われて……
母様に外のことを聞かされるまではそれが当たり前と思ってましたけど…………本当は違っていたことに何度も苦悩させられました
痣とか傷はもう残ってないとは思いますけど慰み者の証はまだ残ってるんです、先輩に温泉に誘われた時どうしようか考えちゃってました……
温泉に着いたら見せてあげますね……そう人に見せるようなものじゃないんですけど
先輩にだったら私、見せてもいいって思えましたから
(自身の身の上のことを話しながら私たちは温泉へと向かっていった)