(千歳の反応を見たさとるは、そのルールでゲームを始めると言ってくる)
う…うん…
(さとるの手が離れ、くたりと力が抜けてしまった千歳)
(車の中では嫌でしかなかったさとるの愛撫が、今はそんな感じが全くしない)
(それどころか、今さとるにお尻を触られた時は、気持ちのよさに声が出てしまった)
(さっきまでは考えられなかった千歳の変化)
(自分自身戸惑う部分はあるけど、そんな感覚も嫌なものではなくなっていた)
じゃ、じゃあ…始めよう?
(お尻を触られて昂ぶった気持ちを何とか静めて、千歳はゲームをスタートした)
(今千歳の目の前では、さとるが財宝を見つけてさらにお金を加えている)
あうう…
(さっきまでそんなに差はなかったのに、さとるの賭けが成功した結果、かなり差をつけられてしまった)
(千歳はというと、もともと人生ゲーム初心者の為、思い切った選択ができないでいる)
(よく言えば堅実だけど、悪く言えば平凡な人生をボードの上で歩んでいる)
(そんな思い切りのなさが良くなかったのか、一気に運も向いてこなくなった)
え、えええっ…と、倒産って…これ、会社潰れちゃったんだよね…?
(さとるの言う通り、さっきも家が爆発してどんどんお金が無くなっている)
(というよりも、既に借金をしている状態でプレイしていた)
…う、うん…お金、結構借りちゃってる…
(何だか泣きそうな表情で自分のお金を見つめる千歳)
(もっとゲームに慣れれば、ここからでも盛り返せるようになるかもしれない)
(だけど今の千歳には、それができるほどの経験も知識もまだなかった)
(でもここでゲームを諦めるのも、千歳としては嫌だ)
うう〜…さ、さとるさん…
(さとるが見せびらかすお金をチラチラと見ながら、千歳は呟くように話す)
あの…ぼく…ぼくを…か、か…買って、ほしいの…
(見る見る間に千歳の頬が赤く染まっていく)
【次はね、多分明後日になると思うよ】
【時間もまた同じ19時くらい!】