>>176
(符によって周囲を照らすと、足元は前回訪れた時とは違い彼岸花が咲き乱れその隙間から見える地面は黒い水が薄く張っていた)
(花自体は幻覚なのか足で踏んでも折れることはなく、正美が通り過ぎると風が吹いたかのように揺らめいていた)

ごきげんよう、また訪れてくれたことに感謝申し上げる。
ふむ……今回は入念に準備をしてきたようだな。

(内部を歩いているとどこからか声が響く)
(外の気温はともかくとして、このショッピングモールは一段と蒸し暑く奥に進むにつれて湿っぽく熱い気温を感じるだろう)

(正美が昨日凌辱を受けたスーパーとなっていたスペースも鬼によって改変され、妖魔の気配が所々で感じ取られるようになっていた)
(相変わらずそのスペースでは黒い雨が霧雨の様に降っていて、湿度は他の場所よりも高く、薄く張っていた黒い水は一部分は深い水たまりのようになっていた)

まずは挨拶と行こうか。

(中央に鬼は立っており、その周辺には黒い不定形の物体が人型を形成するようにして3つ程度存在している)
(その存在のうち一つが正美の存在を確認すると音もなく這うようにして彼女に襲い掛かる)