(そこは正美が最初訪れた時と同じように人の気配がなく、暗く心寂しい雰囲気のさびれた場所だった)
(少し変化があるとすれば花壇や生け垣などに彼岸花が咲き、夏の季節には似つかわしくない冷たい風が吹いているといったところだろうか)
……やはり来たか
(鬼はショッピングモールの中央、広場のような場所で椅子に胡坐をかいて座り正美の姿を見た)
(今までの機能性を重視し質素な外見であったパンツルックの姿とは全く異なり、淫猥に男を誘惑するような出で立ちで肌の露出も多いミニスカートの正美を見ると鬼はにやりと口角を上げる)
随分と無様な姿になったな……様子から見るに何度か交わりも果たしたようだが……
いや、語るまい。
今日はどうした?
私を打倒しに来たにしては随分と挑戦的な服装で来たようだが……
(そのままの姿勢で正美に問いかける)
(正美が戦闘態勢に入ろうとすることも考慮し、常に警戒は解いておらず正美の一挙一動を観察する)