(なんとも淫らな動物ショーがあったものだ)
(18未満お断りな雰囲気でぷんぷんである)
(普通に着るって選択肢もあったはずだ。その上でたったひとりの観客に)
(見せつけるようにこんな真似をしているのだから、よく言えば浮世離れしている)
(悪く言えば頭のネジが何本か抜けている。そう思ってしまうのも仕方ない)
飲みにケーションを否定するつもりはありませんけど。
場合によりけりだと思いますよ。
酔い過ぎて失礼なことしちゃう場合もありますしね。
(少なくとも初対面の人と、おまけに未成年と酒杯を交わすつもりはない)
(その程度の良識はあるつもりだった)
(澄ました態度で答える。散々醜態を晒した後ではあるが、そこは見栄だ)
(最後の一線はなんとか守れたわけだし)
顧問弁護士さんですか。
繁盛してるんですね。
……はい、ありがとうございます。
(つまり弁護士を雇える程度には宗教法人として儲かっているという意味だろう)
(それだけ信者がいる神社の祭りにしては、赤裸々に過ぎる部分があると思うけど)
(これだけの大量の蛇を扱う巫女。一体何者なのか。好奇心が掻き立てられる)
(なので、少しだけ話すと言われた時は正直にうれしかった)
(居住まいを正して、ぺりこと頭を下げる)
人払い……
(言われて、少し神妙な顔つきになる。確かに、祝詞が聞こえてここに来た)
(まっすぐに来たかと言われればすこし違う。首の後ろに何か刺さった感覚があった)
(人払いの結界を張っていたのに、ここまで来れたことに何か意味があるのでは?)
(遠回しに、貴方は一体何者なのかと問われているのだとここで気づく)
必然、と言われましても。僕はここに来る理由があって、貴女はそこにいた。
それは確率の問題であって、そこに意味を見出せるほどロマンチストじゃないん
ですけどね。確率という言葉が嫌いなら、縁があったということでしょう。
(彼女が教えてくれたことを思い返す。一日だけのお祭りを毎年開催していた)
(それが都市伝説となり流布していった。巡り巡ってそれが琥珀がここに脚を運ぶ)
(理由となったそしてそれが今日、ここで野球拳をやってしまう切っ掛けとなってしまった)
(もし一日でもずれていたら、そんなことにはならなかったはず)
あぁ、もしかして僕に、貴女みたいな芸ができるとか、そんなお話ですか。
その……実は僕の母親も巫女でして。今では主婦なんですけど、子供の頃から色々と教わってて。
神様のこととか、どんな気持ちで接するべきか、とか。
だから、僕にとって神様は恐れ敬いつつも、ほどよい距離で接する存在なんですよ。
理由があるならそれくらいしか思いつきませんね。
無理やりこじつけるなら、父から武術を学んでて感覚が鋭いから、とか。
(本当は芸なんてものじゃなくて。白蛇のご本尊か分霊か定かではないが、ともかく人が)(
(安易に手を出してはならない祀られるべき存在だというのは理解できる)
(困った。相手の狙いが理解できない。ふざけた態度の裏に、それこそ毒蛇の牙を)
(忍ばせていないと誰が言えるのか。だから、こちらもどこまで手の内を晒していいのか)
(判断に困る。しかしずっと悩んでいると逆に怪しまれる)
(だから実際には数秒で考えを纏めた。本当のことを言わない代わりに、嘘も付かず)
(言える範囲での事実を述べるに留める。こんな場面ではこの手に限る)
【置きレスにお借りしました】