みなぎ? それが化け物退治を専業にしてる組織なのね。
で、そこがうちの御神酒をわけて欲しがってて、教団側も今後のために融通したい、と。
ふーん、まぁいいけど、それ、大丈夫なの?
うん、うんうん……それならいいけど、何かあったらそちらの責任よ。
……え、見返りに若い女を一晩好きにして、いい?
なにそれ、そちらの悪行がバレてんじゃないの?
ああ、だから私がってことね。

(龍宮講は信者数こそ多くはないが、政財界の実力者も多く、その手の権力は強い)
(しかし化け物や妖怪、幽霊などを相手にできる直接の手足は少なく、必要に応じてお金で他組織を使っているのが実情だ)
(ミズチと蛇神様の力もあるが、本来は最終手段であり、あまり危険なことには手を出さないことが基本方針である)
(その他組織から教団所有の珍しい御神酒を融通して欲しいと依頼があった)
(報酬はそこの若い女を一晩好きにしていいとのこと)
(教団の運営部門としては乙姫ちゃんに相手をしてもらって恩を売りたい、らしい)

ま、いいけどね……。
(蛇神様の性質上、色々な御神酒を所有しているが、正直扱いに困るモノもある)
(それを押しつけてしまえば在庫処分ができるし、信徒以外の人と一緒にお酒を呑めるのもいい機会だ)
(日時は週末の土曜日深夜。場所は芸能事務所「龍宮講」所有ビル内の応接室)
(念のため他の階には契約している警備会社の猛者を詰めさせる)
(直接対応するのはミズチのみ。男がいるとセクハラ云々と痛いかもしれない腹をえぐられる危険があるから)

……来たわね。
(ビルの裏口にある呼び鈴が鳴る。監視カメラを確認するがちゃんと一人できているようだ)
(正式な白衣と緋袴の巫女装束姿のミズチはビルの玄関まで迎えに行く)
(裏口の金属扉のロックを解除し、扉を開ける)
こんばんは……ええと、みなぎの人、でいいのかしら?

【こんな感じで。よろしくお願いします】
【そちらは、ミズチがアリドルの乙姫ちゃんであること、教団の崇める"神"の巫女であることは知っている、でいいと思う】