>>21
むぅぅ……、"さかなくん"と同じ、乙姫ちゃんまでがセットなのに。
まぁ、いいわ。慣れたら乙姫ちゃんって呼んでね。
(不満げに頬をふくらませるが、すぐに元の表情に戻す)
(アイドルとしての仕事ではなく、教団の"乙姫"としての仕事なので、あんまりこだわらないのだ)

でも、もうググったら名前の後に逮捕とか不法侵入とかってでるみたいよ?
それこそ裏社会の職歴くらいしか履歴書に書けなくなってそうだけど。
(芸能界はなんだかんだでヤクザ者の関わりは切って切れないものがある)
(龍宮講は信者に大物がいるので、変な圧力は受けない方なのだ)

ありがと。ファンが選んでくれた写真で、地元のオジサマや子ども達の評判もいいのよ。
(霊能巫女アイドル、そして地域密着型アイドル。それが乙姫ちゃんの売りである)
(地元の評判について言及するところは誇らしげだ)
(子どもの人気はアイドルじゃなくて、ゆるキャラ扱いなのが実情だが、本人的にはアイドルの人気なのだ)

私も行ったことはないわ。
これは商工会の慰安旅行のお土産。
行きたかったけど、テスト期間と丸かぶりだったから、ね……。
(ミズチもお茶を飲みつつ、かるいおしゃべりをする)
(葵が温泉まんじゅうを食べ終わったのを見計らって、本題を切り出す)
あなたがどこまで知っているかわからないから、念のため説明しておくわ。
私の神様はお酒が大好きなの。
だから、みんな世界中のあちこちから珍しくて美味しいお酒を集めて寄進するの。
そのお酒は神様が半分呑んで、残りは御神酒としてお返ししてくださるわ。
(「それでね、」と少し上半身を葵の方へ近づけて、ひそひそ声で続ける)
ここからが重要、御神酒には神様の力が溶け込んで、文字通りに神様のお酒になるのよ。
味も変わる。人の手では作れない神様の味になるし、呑めば特別な神様の恩恵を得られるわ。
これは人によって合う合わないもあるの。誰だって好みのお酒ってあるでしょ?
(真顔でお酒のことを語る中学生。シュールな光景だが、裏社会や闇社会に関わる者とすれば珍しいものではない)
だから、どのお酒を持ち帰るのか、葵さんに味見してもらって選んでもらう。
どれが葵さんの上役さんの好みにあうお酒なのか、部下の実力を示すことができる場だと思うけど、どうかしら?
それに、お酒は人によっては薬にもなるし、毒にもなるから、毒味役も兼ねられるわよ。
(教団とミズチたちが今回の依頼から導き出した答え)
(今後の≪深凪≫との付き合いは、今回の使者を通すことになるだろう)
(ならば、ただ歓迎するのではなく、使者に向こうでの立場が上がるようなこと、そのようなものを手土産に持ち帰らせたほうがいい、と)