>>22
裏社会も住めば都です。
本人が迎合すればの話ですけれど。
(あらあらと困った風に笑う)
(実際、≪深凪≫に拾われなければ社会の底辺を這いずっているか)
(裏社会の人間に食い物にされるか、二つに一つだった葵からすれば)
(コメントに困る話だ。ありきたりなことしか言えない)
(それでも、ご主人様がいれば、奈落の底だとて極楽浄土に等しい)

神様は、案外お酒好きですよね。
……ははぁ、そんなこともあるのですね。
(お茶と饅頭を堪能した後に、巫女さまの話を拝聴する)
(蛇神様とは、信仰を支えるための象徴ではなく、実在としての神様であることが)
(ここで判明する。肉体は持たずとも、影響を与えることができるなら実在すると)
(考えてもいいと主から習っている。神の力を受けた酒。伝説のソーマやアムリタが)
(不死を齎す様に、その酒にもなにがしかの力が込められていると判断する)

なるほど、お気遣いに感謝します。
確かに、我が主は酒には多少五月蠅いですから。
僭越ながら、その役目を引き受けましょう。
ありがとうございます、乙姫さ……乙姫ちゃん様?
(親し気に礼を言うべきか、それとも畏まるべきか、判断できなかったので珍妙な)
(呼び方になってしまう。ともあれ、彼女が葵の立場を慮って提案したのは事実)
(それに対して個人的にお礼を言いたかった)
(何より、我が主と仰ぐ方を喜ばせたい)

それでは、どんと来い、であります。