【続きでっす!】

(ひとつひとつ、指差し確認で計画をチェック。弦場あいすは準備に手を抜かない良い子なのです!)
(あとは、最後の仕上げ……この渡辺さんを、納得させられるかどうか)
(口ぶりからすると、わりとキツいことでも乗ってくれそうな感じだけど……はてさて……)
(初対面の人を、試すようなことになっちゃうのは心苦しいけど、仕方がない)
(私は、目の前のレールの、とある一点を指差して、渡辺さんに告げた)

……では、えーと、渡辺さん。提案というか、お願いなんですけれども。
この線路の、ちょうどこのあたりに、私と手をつないで……『いっせーの、せっ』で、一緒に飛び込んでもらえますか?
完全に同じタイミングで。ふたりとも、同じ角度であの怪物と衝突できるように。
……ああ、誤解のないように言っておきますけども、私、怖くなって絶望して、自殺しようと考えてるわけじゃないですよ?
ただ、生きて帰ろうとしてるだけです。
私たちはこれから、怪物に思いっきり跳ね飛ばされて、ものすごい痛い思いをするでしょう。
血もいっぱい出て、肉はぺっちゃんこに潰れて、骨もバキバキに折れるでしょう。
でも、『ふたりとも傷ひとつなく脱出できるようにします』。
どうしてそうなるのか、うまく説明するのはちょーっと難しいんで、勘弁して欲しいんですけれども。
それでも、えっと、トラストミーぷりーず! うまくいけば、痛いの一回で済みますから!

(まるでダンスに誘うかのように、渡辺さんに向かって手を差し出す。さすがに『シャル・ウィ・投身ぷりーず』とは言わない)
(我ながら、胡散臭過ぎる要求だとは思う……でも、100パーセント嘘偽りなくガチなのだから、仕方がない)
(あとは、渡辺さんが『オッケー♪』と言ってくれるかどうかだ……)
(もし、ノーという言葉が返ってきたら……その時は、残念だけど仕方ない……私ひとりだけで、生きて帰るしかないだろう)

【ではでは、こんな感じで今日もヨロシクです(`・ω・´)ゝ】