>>242
ひゃっほーう! 自由へのランウェイだー! 真っ黒くろすけ、追ってこれるなら追ってこーい!
……あ、いやっ、ホントに追ってこられると勝ち目ないんで、できれば追ってこないでー! ひゃほー!

(だばだばだばだばと、夕陽の沈んでいく街を、ふたりの長い影が駆けていく)
(いつの間にか、カンカン音は止んでいた。空の色も、紅過ぎる紅ではなく、自然なオレンジ色だ)
(やがてそれも、太陽が稜線の向こうに消え去るにしたがって、群青になり、闇になる)
(気がつくと私たちは、近くのコンビニエンスストアに飛び込んでいた……私も、時々利用するお店だ)
(どうやら、あの線路の怪物からは、うまく逃げ切れたらしい……)

ふひー……これはあれですよね。もうアレが追ってくるとか、心配しなくてよさげな雰囲気ですねー。
命があるって、やっぱり素晴らしい。助かった私たちにバンザイ、です!

(大きく息を吐いて、全身の緊張を緩める私)
(自分の能力を信じているとはいえ、それでも死に直面することには、とても慣れない)
(これからも、きっと同じような、絶体絶命の状況には、何度も陥るだろうけど)
(それでも、きっと死への恐怖が麻痺する日は、永遠に来ないだろう)
(額に浮かんだ冷や汗を、手の甲で拭っていると、目の前に一枚の紙片が差し出される)
(それを渡してきたのは、言うまでもなく渡辺さんで。その紙に記されている数字の羅列は、もちろん言うまでもない)

あーいえいえ、お礼なんて。こちらこそ、だいぶ助けてもらいましたし?
あーゆークッソ危ないのに向き合う時って、誰かが横にいるなら、協力し合った方が圧倒的に得じゃないですか。
でも……ふふふー♪ 連絡先もらえるなら、遠慮なくもらっちゃいますよー♪
そんでもってそんでもって! あーゆー化け物系、出会ったら助けてもらえるなら……がっつり頼っちゃいますよ?
ことによると、渡辺さんが「あ、もしかしたら早まったかも知れない」って思っちゃうぐらい、頼る機会はありそうなので☆

(受け取ったメモ書きを頭の上に掲げて、ニヤリとイタズラっぽく笑う私)
(そう、実際、そういうのに私は、思いっきり関わる機会が豊富だ……何しろ、自分から飛び込んでいくのだから)
(私には夢がある。目標がある。望み通りの未来を作るために、1200体の異常存在を始末しなければならない)
(そのためには、戦うための力がいるし……強い仲間がいて、損はないってわけだ)

そうそう、もちろんもらいっ放しってのもダメですよねっ。私の電番と、リャインIDもあげちゃいます♪
現役JKの連絡先ですよー♪ 人によっては高く売れるかもですけど、絶対そんなことしないで下さいね?

(私の方も、渡辺さんのメモとボールペンをちょちょっとお借りして、二種類の記号の列をプレゼント☆)
(これでお互い、いつでもどこでも好きな時に、相手と連絡が取れる状態ができたわけだ)
(……ことによると、私のハンティングにも、彼を駆り出すことができるかも知れない)
(まーもちろん、一方的に彼をこき使ったりするのはフェアじゃないから)
(こっちの都合につき合わせる時には、また、それなりのお礼を別に考えといた方がいいかも知れないにゃあ……)

……ってなわけで、変なきっかけではありましたけれど!
この素敵キューティーなJK、あいすちゃんのこと、これからしばらくよろしくお願いしますねっ、てひひっ☆

(友達とプリクラ撮る時みたいに、渡辺さんにキラッとウインク♪)
(この人とは、わりと長い付き合いになるかもしれない。そんな予感を覚えるあいすさんなのでしたー)

【こんな感じで、こちらは〆ですかねー☆】
【時間系能力は強いのですよ、ふふーん! ……使用間隔? 考えたこともなかったですねー……】
【あった方がいいんですかね、やっぱり?】