>>412
(二体の人形がマネキンに飛び掛かれば、バレエでもするかのようにひらりと頭上からの一撃をマネキンは避けてみせる)
(だが脚への奇襲は避けきれなかったのか、右足の太ももにあたる部分に鈍い音と共に大鉈がざっくりと刺さった)

雅ちゃんナイス!そのまま抑え込もう!

(男性が一応は無事であることを藍は確認し、雅の投擲した投げナイフに合わせて引き金を引く)
(放たれた弾丸と投げナイフは動きの鈍ったマネキンに直撃し、マネキンはそのまま人間のように痙攣して動かなくなった)

……終わった?まだ生気を吸い取りきれてなかった……のかな?
ありがとう雅ちゃん、こういう相手は始めてだったから――

(藍はほっとしたように火縄銃を下ろし、銃身を叩いてキーホルダーに戻す)
(既に先程まで纏っていた妖しげな雰囲気は消え去り、今こうして仰向けに倒れ込んでいるのはただのマネキンのようだ)
(市場の知り合いに報告するために写真を撮ろうと、藍は携帯を取り出しカメラを起動する)
(その瞬間だった。動かなくなったマネキンがばね仕掛けのように突如として立ち上がり、藍を押し倒すように飛びついてきたのだ)
(とっさのことに反応できず、藍は携帯とそれにくっついていた火縄銃のキーホルダーも取り落としてしまう)

んなっ……!まだ生きてたの!?
雅ちゃんこいつっ……んむっ……ちゅうっ……

(生気を吸ったことで手に入れたのか、マネキンの顔にはいつの間にか人間のような口と舌がしっかりとついていた)
(無傷だった両腕の凄まじい膂力で藍を抑え込むと、強引に舌を絡めた口づけで藍の生気を吸い取り始める)
(このままでは藍も男性のように、衰弱しきってしまうだろう)

【PCのトラブルは突然起きますからね……お気になさらず】