>>414
(振り下ろされた鉈は確かにマネキンにとっては痛手だ)
(だがそれすらも無視するほど、マネキンは目の前の獲物から一刻も早く生気を吸い取る必要があった)
(既に今までの生気は先程の戦闘で抜け去り、今残るのはわずかな生存本能のみ)
(その本能に突き動かされるまま、マネキンがさらに激しく舌を突き入れて生気を貪ろうとしたその時だ)

……んぎぃ!自分だけ気持ちよくなろうとするなぁ!!

(入れられていた舌を藍が口内で食いちぎり、ぷっと口から吐き出してマネキンに頭突きを叩きつける)
(生気を吸い取られ、手足から力が抜けつつあった藍にできる抵抗はわずかだった)
(来栖が必死に引き剥がそうとする中、そのわずかな抵抗が最後の一押しとなる)

(生気を吸い取り切れなかったマネキンはそのままバランスを崩して再び倒れ、再び動かなくなった)
(不味いものでも食べたかのように藍は苦い顔をして、落ちた携帯を拾う)
(幸い頑丈な造りのおかげで無事だったらしく、今度こそ撮影を開始する)
(マネキンを様々な角度から撮影し、終わるとジャケットにあるポケットに携帯をしまった)

まったく、油断するとすぐこれだよ!
雅ちゃんも気を付けなよ、大人しそうで綺麗な子ってすぐ狙われるんだから!

(今でもキスの感触を覚えているのか、うえっと吐くような仕草で)
(ファーストキスではなかったとはいえ、いきなり押し倒されてからの舌入れはさすがに気持ち悪く感じたようだ)


【もう一回起き上がる、とかでもOKです】